以下、TalkingDataによる2015年10月-12月の中国Android市場データです。

Top20 Android App Stores
2015Q3TopAppStore


Myapp, 360 Mobile Assistant, Baidu Mobile Assistant, MIUI app store の上位4ストアの並び順に変動はありませんが、4ストアの合計シェア率が76.7%→76%→72.4%と徐々に下がってきています。5位以下はほぼ同率シェアとなっており、2016年に中国再参入が予想されるGoogle Playがどこまでシェアを伸ばせるかも今後注目です。


Top20 Android Games
2015Q3TopApps


Tencentの “League of Kings”が2カ月連続でトップの座を獲得。その他ランキングに大きな変動はありませんが、引き続きカジュアルゲームやカードゲームなどのライトゲームが好まれています。


Top20 Android Game Publisher
2015Q3TopPublishers


不動の1位Tencentは、2位、3位のIDreamSkyやNeteaseの約9倍の数のアプリをリリースしています。2015年は合計38ゲームを発表し、モバイルゲームの売上げは約190億人民元規模に到達しました。これは中国のモバイルゲーム市場の約36%を占める割合となっています。2016年はアクションゲームやMOBAゲームなどにフォーカスするそうです。

TalkingData
2011年設立。北京を拠点とする中国最大級のモバイル市場調査会社。自社テクノロジーを駆使し、12億のユニークモバイル端末上にある80,000以上のアプリを追跡しユーザー動向データを集約する。複雑な中国Android市場の精密なデータ提供を行う。

以下、TalkingDataによる7-9月の中国Android市場データです。

Top20 Android Apps
Top20App_6-9

7月にTop1だったMinecraft (Mojang AB)が1つずつランキングを落としていく中、Anipop (HappyElements)が8月に首位(前月4位)に躍り出たのちに、2ヶ月間この座をキープしました。


Top20 Android Publishers
_6-9

Top3はTencent, IDreamSky, Neteaseの独壇場となっています。3カ月の間、順位の入れ替えもありません。


Top10 App Stores
Top10Store_6-9

5月に不動の1位であった360 Mobile Assistantを僅差で追い抜き、はじめて首位に躍り出たTencentのMyappが好調です。8月、9月には360 Mobile Assistantとの差が最高3%まで開き、5月の0.3%と比較すると約10倍になってきました。

TalkingData
2011年設立。北京を拠点とする中国最大級のモバイル市場調査会社。自社テクノロジーを駆使し、12億のユニークモバイル端末上にある80,000以上のアプリを追跡しユーザー動向データを集約する。複雑な中国Android市場の精密なデータ提供を行う。

Yosuke
Yosuke Kurokami
Media Strategy Specialist, Adways





引き続き台湾の市場についてのお話です。

前回、台湾ゲームに頻繁に参入している中国と日本のゲームの違いを比べてみました。
主にグラフィックに焦点を当てましたが、なぜこのような違いがでるのかを考えてみました。

ゲームの歴史
日本のモバイルゲームのはじまりは、ガラケー時代にまでさかのぼります
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もともと日本にはファミコンやプレステなど世界に誇るゲーム機が多数あり、幼少期からゲームに慣れ親しんできた人も多いと思いますが、もっともゲームが身近になったのはガラケーが急速に普及した2000年代、ボタンをポチポチ押しながら、大富豪やカードゲームを楽しんでいた方が多いのではないでしょうか。
JapanSocialGameGrowth

(Source: CESA Games White Paper 2014)

その中でライトに遊べるゲームを自然と身に着けて、ケータイ=簡単に楽しく遊べるゲームというイメージが出来上がったと考えます。
なので、パズルや簡単な操作で楽しく遊べるものが人気だった、そう言えるでしょう。

しかし、中国のゲームとはと言うと、主なハードウェアはPCでした。
pc games in China

China Online games

(Source: iResearch.cn)

ゲーム制としても、シミュレーションやMMORPG (Massively Multiplayer Online Role-Playing Game, 大規模多人数同時参加型オンラインRPG) など一般的にコアゲームと呼ばれているものが多く、どうやってもガラケーでは遊べないようなものでした。
こうしたゲームが人気だった中国では、いわゆるコアゲームをプレイすることが普通になってきていたといえます。

ではスマートフォン時代になってからどうなったかと言うと、ちょうど中間になってしまったのです。スマホ自体のスペックは高いが、元々は携帯電話、今までパソコンゲームで遊んできたコアユーザーと、そうでないライトユーザーの両方が混在するデバイスとなり、どちらにフォーカスをするのか、マーケティングがかなり難しくなったと考えられます。

人口とのバランス
日本の人口は約1億2000万人で中国の人口は13億人以上です。
では人口に対して10%のゲームが好きな人がいるとすると、日本は1200万人、中国は1億3000万人です。
すごく差がありますね。中国のゲーム好きユーザーだけで日本の人口を越えてしまいます。

その中でゲームを売り出そうとすると戦略が変わってくるかと思います。
日本ではなるべく多くの人にやってもらえる万人受けするゲームを作り、中国はたくさん遊んでくれるゲーマーに向けて、いかに売り上げをあげるかを考える。
これはほんの一例ですが、こういった人口に起因するターゲットの違いも、ゲームの中身に影響を与えていると言えるでしょう。

それでは最後に、台湾のユーザーはどのように日本ゲームと中国ゲームを嗅ぎ分けているのか考えてみたいと思います。

聞くところによるとですが、台湾のユーザーは下記3つを判断材料としているそうです。
- キャラクターデザイン
- ゲームUI
- ゲーム制

キャラクターデザインについては前回でも触れていますが、キャラクターの色の塗り方や、等身バランスなどが上げられるそうです。中国ゲームは、淡色系の色数を多く使い、線は細めです。一方、日本ゲームは色数は少ないものの、派手系の色を使い、線は太く、と正反対です。

ゲーム制はと言うと、台湾でも流行っているモンスターストライクにはマルチプレイが搭載されています。以前mixiの社長がいっていましたが、このマルチプレイは元々台湾ではあまり盛んではなかったシステムです。協力して敵を倒すなど、こういった斬新なシステムは日本製のゲームによく見られる物だと思います。
日本はオリジナリティを大事にするので、ゲームシステムも新しい物を出していくのですね。
こういった新しいシステムもはじめは少し難しいように見えても、しっかりマーケティングを行っていけば徐々に浸透していき、ブームを巻き起こすことが出来ます。

以上、とても簡単にまとめてみましたが、実際はもっと多くの判断材料があると思います。
ただ大きくわけて、こんなにも違いがある2国のゲームです。
台湾マーケティングをする際の参考にしていただければ幸いです。








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