YujiYokota
Yuji "POCO" Yokota
事業戦略統括SVP, Adways





モバイルゲームは変わった。

隙間時間の暇つぶしではない。ひたすら課金をしてポチポチ押すだけのものでもない。
無課金勢や微課金勢、廃課金勢らが共存し、果てしない戦争を繰り返す。

モバイルゲームは変わった。


と、オールドスネーク風味で始まりましたアドウェイズブログ6月増刊号。今回はGEEKPOCOこと、わたくし横田がお送りします。

さて、今回のブログのテーマは「日本」とのことで、「内容は好きに書けこのピザ野郎」と当社広報部隊から良い感じに丸投げされたので、本当に好きに書いてやろうと思います。

さっそく本題。
事前登録で25万人ものユーザーを集め、リリースから10日足らずで登録者数100万人を突破したスクウェア・エニックスさんのiOS/Android用アプリ「メビウス ファイナルファンタジー(以下、メビウス)」。皆さん、ダウンロードされましたか?

今回はこの「メビウス」の魅力を勝手に伝えていこうと思います。
わたくし横田が会社の広報スペースを使って勝手に紹介するだけなのでステマとかじゃありません。なお、執筆時点(2015/6/15)の情報のため、ご紹介した内容や仕様に変更があった場合はご容赦ください。

まずググったらすぐわかりそうなことを先に箇条書きします。

・FFのナンバリングタイトルを開発するチームが製作

・グラフィックがめちゃくちゃ綺麗

・暗黒騎士が超かっこいい


と、一部小学生並の感想が含まれておりますが、この辺はまだ遊ばれてない方もすぐご理解いただけるかなと思います。

というわけで、ググってもすぐには出てこない魅力を、職権濫用してお伝えしていきます。

題して、「ここが素敵だね☆ メビウス ファイナルファンタジー」。

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1. ポカポカ運営

「パズル&ドラゴンズ」のプロデューサーである山本大介氏が提唱した言葉で、ネットスラングのサイトを見ると、以下のような定義付けがされています。

「ポカポカ運営」とはユーザーのプレイ継続率を重視したソーシャルゲームの運営方針のことである。なお、通常のソーシャルゲームは全体のユーザーの中で課金率をどれだけ高めることができるかといった方針で運営を行う。


要するに、金儲けの前に、そもそもユーザーを楽しませようという姿勢をもっているかどうかという話なワケですが、「メビウス」においては、ガチャの仕様からポカポカ運営感を感じ取れます。

こちらを説明するにあたり、逆に、ダメな運営あるある~有料ガチャ篇~をユーザー目線で箇条書きします。

・低レアリティのキャラクターに実質使い道がない

・同キャラクターでレアリティの高いキャラを引いてしまった瞬間に、妥協して育成していた低レアリティの同キャラクターの使い道がなくなる

・スキルレベル的な概念があるケースで、同スキル同士のキャラクターを合成すればスキルレベルが上昇するが、同キャラクターのレアリティ違いでスキルが異なる


など。
これは端的に言えば「時間やお金をかけても報われない」ということです。

有料ガチャを引けども引けども、大半が無用の長物。妥協して育てて、再びガチャで育てたキャラクターと同キャラクターで高レアリティのキャラクターが出た瞬間、これまでの育成時間は水泡と帰す。ましてやその後、同キャラクターの低レアリティが有料ガチャから排出された日には、そんなもの餌にもならぬ。ああ無情。

こういった例とは真逆のポカポカメビウススタイルは以下の通り。

・「カード召喚」や「カード大召喚」でレアリティの高いカードを得たら、以後、同じカードを召喚で入手した場合、常に高いレアリティが召喚されます。
例)レアリティ★4獲得後、同じカードは全て★4で出現。

・同名カードへの合成の場合、素材側のカードが取得していた経験値の100%が合成時経験値に上乗せされます(別名カードの場合は30%)。
そのため、★3のアビリティカードを育てている途中で同じカードの★4を入手した場合、★4カードに育てていた★3カードを合成しても★3カードで稼いでいたぶんが無駄になりません。
また、素材側のほうがアビリティレベルが高かった場合、アビリティレベルも引き継がれます。
例)★3アビリティカード(アビリティLv3、カードLv10)
     ↓
  同名の★4アビリティカード(アビリティLv1、カードLv1)に合成
     ↓
  ★4アビリティカード(アビリティLv3、カードLv10)へ。


(出典:http://wiki.famitsu.com/mobiusff/

なんというポカポカ仕様!ちなみに「メビウス」の★3は十分強いので、★4を持っていないとバカにされるとかそんなことはありません。ユーザーのかけた時間やお金を無駄にさせないこの優しさ。素敵。

2. ほどよい説明、ほどよい難易度
ありていに言えば、ゲーム自体はやや複雑です。
かといって、長々とチュートリアルで説明されるのも本当に辟易しているので、「だいたいわかったけど、細かい部分はちょっとわからないからググろう」ぐらいの感覚でとりあえずゲームを進められる「メビウス」はわたくしとしては非常に丁度良かったです。

そもそも面白くなければ仕組みなんて頭に入ってこないし、当然調べようとも思わないのがヒトのサガですから、完全な説明をせずとも面白いと感じさせられるものこそ素晴らしいと思いませんか?

そして、このゲームの面白さの肝である戦闘システムをざっくり説明すると、
「場にあるエレメントをコントロールしながら、通常攻撃やアビリティを駆使して敵の体勢を崩し、その隙に大ダメージを与えて敵を殴り倒す」
という感じで、文章で見るとなんのこっちゃいな感じになってしまうんですが、「場にあるエレメントをコントロールする」という部分が非常に奥深いのです。適当に戦っているとすぐ敗北してしまうので、ひとつひとつの行動を考えながら行う必要があります。

当然ある程度勝ちパターンは決まってくるものの、戦闘中にプレイヤーキャラのHPを回復する手段が限られているため余程の戦力差があるケースを除けば、一手でも判断を見誤れば敗北する、といったギリギリの戦いを楽しめたりします。
少なくとも現状ではゴリゴリ課金しないと無理!みたいな状況も全くないので、マイペースに遊べます。素敵。

3. 主人公を取り巻く人物の胡散臭さ
これは全力で褒め言葉(のつもり)です。
私は「メビウス」のシナリオパートがとても好みです。少しひねくれた台詞回しも、声優さんの演技も本当に素晴らしいです。音声無しでプレイするのは本当にもったいない。

あまり書くとネタバレになってしまうのでアレなんですが、主人公を光の戦士とすべく導こうとする登場人物が、なんとなくみんな怪しい。それぞれ事情というか、なんらか腹に一物抱えているのは間違いないと思うんですが、それが1人とかでなく何人もいるので、とにかくシナリオの続きが気になって仕方がないのです!

近年のモバイルゲームでは、ミストウォーカーさんの「テラバトル」のシナリオがとてつもなく素晴らしいな、と思っているんですが、それに勝るとも劣らぬ素晴らしさです。素敵。

以上の3点がわたくし横田の考える「メビウス」の魅力なわけでして、日本を代表するゲームメーカーさんが本気を出すと、モバイル端末向けにこんなに素晴らしいゲームが出来る、という世界に誇れる好事例だな、と思うわけです。

ネームバリューや映像美だけに頼らず、フリートゥプレイゲームとしての運営の仕組みも、肝となる戦闘システムも、作品を彩るシナリオやボイスアクトも、実に力の入った素敵なものになっていることに感動せざるを得ないのです。

世界よ、これが日本のゲームだ。


「メビウス ファイナルファンタジー」
iPhone
Android


追伸
名作「ファイナルファンタジーVII」のPS4でのフルリメイク作品の開発が発表されたとのことで、我々Over30世代だけでなく、もっと若い世代にファイナルファンタジーがより浸透していくキッカケになりたまへと、忘らるる都で祈りを捧げる毎日をこれから過ごしたいと思います。

「时空猎人」(Space Hunter)と「刀塔传奇」(Longtu)の独擅場が数カ月続いていた中国Android市場ですが、4月にランキングの変動がありました。

中国三大ポータルサイトの1つ、http://www.163.com/を運営する網易(Netease)がリリースした「梦幻西游」(Meng Huan Xi Yoまたは Fantasy Westward Journey) が1位を獲得し、新規登録ユーザーは2,000万人を突破、さらに5月20日にはオンラインで同時に遊ぶユーザー数が170万人と最高記録を打ち出しました。
(Source: http://www.gao7.com/wy/my/detail-498954.shtm)


以下TalkingDataによる4月の中国Android市場です。

Top20 Android Apps
TopAppApr


Top20 Android Publishers
TopPublisherApr


Top10 App Stores
TopAppStoreApr


TalkingData
2011年設立。北京を拠点とする中国最大級のモバイル市場調査会社。自社テクノロジーを駆使し、12億のユニークモバイル端末上にある80,000以上のアプリを追跡しユーザー動向データを集約する。複雑な中国Android市場の精密なデータ提供を行う。

Amy Heeyeon Kim(PR)
Amy Heeyeon Kim
PR Manager, Adways Korea




世界一の IT強国であり、トレンドに敏感で急速に変化する韓国のモバイルゲーム市場!

韓国のモバイルゲーム利用者の独特な性向のため、世界的に大成功を収めたゲーム会社も、韓国市場の攻略には苦戦してきました。しかし、モバイルゲームで世界第3位の規模を誇る韓国市場は、簡単には諦められない魅力的なマーケットでもあります。

韓国モバイルゲーム市場への参入が困難な理由は、文化的な性向の違いが最大の要因として挙げられます。韓国人の“パリパリ文化”(早く早く文化:Hurry Hurry Culture)の影響を受け、市場も急速に変化するため、韓国への進出を試みるグルーバル企業としては、把握することが非常に困難な市場でもあります。

変化に富んだユーザーが集まっている韓国モバイルゲーム市場への進出を準備しているグローバルゲーム会社のために、アドウェイズコリアが韓国市場攻略のためのヒントを公開していきたいと思います。

世界のモバイルゲーム市場には、さまざまなジャンルのゲームが数多く市場投入されています。その中でも、韓国は特に RPGジャンルのゲームの善戦が目立っています。

最近、韓国のモバイルゲーム社もRPGゲームを中心にリリースする傾向にあります。RPGは人気が高いジャンルであるため、ゲーム会社も市場の雰囲気を無視することはできないのが実情です。

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(Source: Adways Korea)


昨年も、韓国でリリースされたゲームの大半がRPGでした。さらに、今年の上半期だけでRPGゲームのリリースが13%も増加し、韓国のモバイルゲーム市場におけるRPGゲームのリリースは、これからも継続するものと予想されます。

実際のモバイルゲーム市場での反応も見てみましょう。

韓国Google Playの売上ランキング上位圏のゲームジャンルを見ても、全体の半数近くがRPGであることが分かります。実際に、韓国のモバイルゲーム市場で大ブームとなったレーブン、ブレードなども RPGゲームでした。

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(Source: AppAnnie Jun 2015)


それでは、他のジャンルと比較したとき、モバイルゲーム開発会社の立場からもRPGジャンルを好む理由は何でしょうか。

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(Source: Adways Korea)


韓国のモバイルゲーム市場にリリースされたカジュアルゲームとRPGゲームのLTV(Life Time Value)とUAC (User Acquisition Cost)を比較してみましょう。いずれもリリース後90日間で250万ダウンロード以上を記録したゲームです。

当社の全世界対応のスマホ向け効果測定システム「Party Track(パーティトラック)」の分析結果によると、やはりRPGジャンルに熱狂する韓国ユーザーの性向をより正確に把握することができます。
上記のグラフでは、RPGゲームがカジュアルゲームに比べて4倍のLTV数値を記録しています。

このような点から、開発会社としてもRPGを好むユーザーが多数存在するため、当然ながらRPGゲームの開発に集中することになります。韓国のモバイル業界でも当分の間は、RPGゲームのリリースと善戦が継続するものと見込んでいます。

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(Source: Adways Korea, 2014.03-2015.04, Free DL Ranking)


また、こちらの図から韓国では特にRPGが人気であることが分かります。日本、香港、台湾、オーストラリアなどのトップランクには必ず1つないし2つのカジュアルゲームが入っていますが、韓国ではすべてRPGが独占しています。

韓国のモバイルゲーム市場への進出を検討しているゲーム会社とパブリッシャーは、このような市場の状況を踏まえた上で、コンテンツとマーケティング戦略を練ること、また数多くの広告メディアが存在するので、広告測定を慎重に行いオプティマイゼーションを測ることが重要になると思われます。

次回は、韓国市場でゲームをリリースした後のマーケティングトレンドと戦略についてご紹介します。

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